
ウリ科ウリ目のゴーヤは、いわゆる苦瓜(ニガウリ)です。縦に長く緑色で、表面にイボがあるのが見た目の特徴です。沖縄や九州の一部で栽培されていましたが、近年では本州でも栽培されています。
そんなゴーヤの栄養と健康効果、歴史をまとめました。
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ゴーヤの起源と歴史
ゴーヤの原産地は、インド東北部と考えられています。14世紀に中国へ広がり、実だけではなく、花、根、種子と全てが余すことなく生薬として使われていました。
インドのアーユルヴェーダ医学でも、薬として同じように利用されるそうです。
日本へは中国から伝来したといわれています。1713年の「琉球国由来期」にゴーヤの記載があるため、その頃には沖縄に伝わっていたといえます。日本全土に一般的に知られるようになったのは、1990年代です。
その強い苦味のため、あまり人気はありませんでしたが、健康食としての知名度も上がり、今では愛好家も多い食材となっています。
ゴーヤの種類
一般的に知られているゴーヤの中でも、様々な品種があります。
「沖縄あばしゴーヤ」は長さが20cmから25cmほどで、苦味が少ないという特徴があります。「沖縄中長ゴーヤ」は名前の通り少し長めで、25cmから30cmほどあり、太いのが特徴。
長さが35cmを超える「さつま大長ゴーヤ」などの大型品種もあります。
濃い緑色をしたイメージが強いゴーヤですが、白い品種もあります。「白れいし」は小型で長さが10cmから20cm。緑色の品種と比べると苦味が少ないので、生で食べることもできます。
ゴーヤの旬と有名な産地
夏にかけて収穫される野菜で、長く伸びるツルを利用して「緑のカーテン」が作られるのは、夏ならではの光景です。
最も有名な産地は沖縄県で、収穫量2位の宮崎県の2倍の収穫量を誇ります。続くのは鹿児島県、熊本県、群馬県、長崎県と、多くは九州で栽培されています。
良いゴーヤの選び方
緑色が濃く、全体的に均一なものを選びましょう。

太くて表面のイボが硬く、細かいものが良いゴーヤの証拠です。
ゴーヤに含まれる栄養素
なんと言ってもビタミンCが豊富です。その量はトマトの5倍ともいわれています。
その他、ビタミンB、β-カロテン、葉酸、鉄分、そしてカリウムと様々な栄養素が含まれています。
ゴーヤの苦味の元になっているのはモモルデジン。これも健康のために役立つ成分と考えられています。
ゴーヤによる健康効果
疲労回復効果
モモルデジンはゴーヤの苦味成分で、胃腸の粘膜を保護したり、食欲を増進させるため、食欲不振やそれによる体力低下を防ぐことに期待が持てます。
また、ビタミンCは疲労回復にも役立つと考えられているため、多く含むゴーヤを摂ることで、疲労の回復につながる可能性があります。
疲労回復についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
むくみの解消
ゴーヤにはカリウムが100gあたり260mgも含まれており、スイカの2倍にもなります。
カリウムは体にある余分な塩分や水分の排出を促す効果があるため、むくみの解消が期待できます。
むくみ解消についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
美肌効果
ビタミンCやビタミンB、β-カロテン、葉酸といったゴーヤに多く含まれる成分は、美肌作りに欠かせません。
ビタミン類や苦味の元のモモルデジンが相乗効果を発揮し、高い抗酸化作用を発揮するのも美肌に良い影響を与える可能性があります。
ゴーヤの下処理と保存方法
ワタ周辺に苦味があるので、縦に切ってスプーンでワタの部分を取り除きましょう。
常温で保存ができますが、気温が高くなると黄色く熟してしまうので、気になるようなら袋に入れるか、ラップで包んで冷蔵庫へ入れましょう。
ゴーヤのおすすめの調理法
ビタミンCは加熱により壊れやすい成分ですが、ゴーヤの場合はタンパク質に保護されているため、熱を加えてもビタミンCが壊れにくいという優れた性質があります。
強い苦味がありますが、他の食材と合わせて、炒めることで食べやすくすることができます。
おすすめはゴーヤチャンプル。豆腐や豚肉と合わせて炒めれば、美肌効果が期待できます。