
フキはキク科フキ属の多年草で、日本原産の野菜です。山野などに自生している地下茎の野草で、8世紀ごろから栽培もされている最も古い野菜のひとつです。山菜としても使用されています。
そんなフキの栄養と健康効果、歴史をまとめました。
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フキの起源と種類
日本原産で全国に分布し、湿気・日陰を好みます。8世紀ごろから栽培されており、古くから日本人に馴染みがある野菜です。ただ、栽培が盛んになったのは江戸時代以降と言われています。
全国で自生・栽培されていますが、市場に多く流通しているのは「愛知早生フキ」です。この他、「水フキ(京フキ)」、「山フキ」、「秋田フキ」も有名な品種です。
また、沖縄や鹿児島などでは、自生しているフキのみで栽培はほとんどされていません。
それぞれのフキの特徴
地下茎に出てくる若葉のついた長い葉柄の部分を「フキ」、地下茎から出てくる花のつぼみを「フキノトウ」と言います。
愛知早生フキ
流通量の約60%が、愛知早生フキです。江戸時代から栽培が盛んとなりました。茎は淡緑色で、根元が赤みがかっているものもあります。
香りが良く、みずみずしくて柔らかいのが特徴で、アクも少ないです。
水フキ (京フキ)
京都や奈良を中心に栽培されています。柔らかく香りが良いですが、収穫量が少ないため、あまり出回っていません。
山フキ
山野に自生する野生のフキのことで、佃煮のきゃらぶきの原料となっています。
秋田フキ
秋田県の名産で、この他、東北地方・北海道でも栽培されています。柄の長さが2m、葉の直径は1mほどの大きなフキです。
繊維が多く固いため、青果としての出荷は少なく、主に砂糖漬けなどに加工されて出回っています。
フキノトウ
フキの花のつぼみで、つぼみが開く前の状態で食した方が味が良いです。

つぼみが開いてしまうと、苦味が増します。
フキの旬と有名な産地
ウドは春先が旬です。自生しているものは3月~5月が旬となり、栽培されているものは10月~5月にかけて出回っています。愛知県や群馬県などで多く生産されています。
フキノトウは、2月・3月が旬です。福島県や群馬県などで多く生産されています。
良いフキの選び方
選び方は、葉がみずみずしく、鮮やかな緑色のものを選びます。茶色く干からびているものは避けましょう。

愛知早生フキは、柄が太すぎず、なるべく空洞のないもので太さが均一のものを選びましょう。
山フキの場合、細いものは筋が多いため、ある程度の太さがあるものの方が柔らかいです。
フキに含まれる栄養素と効果・効能
フキにはカリウム、カルシウム、食物繊維が多く含まれています。
カリウム
余分な水分を排出するため、高血圧予防や痙攣予防に効果的と言われています。カリウムが多く含まれる野菜は、他に以下があります。
高血圧予防についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
カルシウム
99%が歯や骨に存在しているため、骨粗鬆症の予防に効果的です。また緊張や興奮を抑え、イライラを解消する作用もあります。
食物繊維
不溶性は便秘解消に、水溶性はコレステロール排泄作用を持つため動脈硬化予防に効果的です。フキは不溶性食物繊維が多く含まれています。
便秘解消についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
フキノトウの栄養と効果・効能
フキと比較すると栄養価が高く、カリウムはフキの2倍、カルシウムは1.5倍含まれています。また、ほかの食材と一緒に食べることで以下のような効果が期待できます。
きのこ類・海藻類と併用
がん予防・コレステロール値低下などの効果が期待できます。
にんじん・小松菜・エビ・うなぎと併用
疲労回復・美肌効果・老化防止などの効果が期待できます。
疲労回復についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
大根・レンコン・春菊と併用
胃腸を整え、咳・気管支の炎症を抑える効果が期待できます。
フキの保存方法
フキは、時間が経つにつれアクが強くなります。アク抜き(茹でる)したものは、水に浸しタッパーなどに入れ、冷蔵庫で保存します。こまめに水を入れ替えれば、1週間ほどは美味しく食べることが出来ます。
また冷凍保存も可能ですが、シャキシャキした食感は失われます。
すぐにアク抜きが出来ない場合は、葉と柄を切り離し、それぞれラップまたはポリ袋に入れて野菜室で保存します。生のフキの期限は3日程度です。
フキのおすすめの調理法
和え物、おひたし
アク抜きした後、そのまま和え物やおひたしとして食べることが出来ます。和食に使用することが多いですが、ドレッシングやクリームチーズなどと和えることで、洋・中華メニューにもなります。
煮物
どの食材とも合います。フキの色を損ねないように煮ることで、彩りよい煮物に仕上がります。濃く炊くことで、佃煮(きゃらぶき)として利用できます。
揚げ物
天ぷらやかき揚げにすることで、香りを楽しむこともできます。
フキノトウは、フキ味噌にすると大人の味が楽しめます。
まとめ
フキは日本人に馴染みのある野菜で、産地により特徴・用途が異なります。
通年で回っているものではないので、旬の野菜として多種多様なフキ料理を楽しんでみてください。