
アブラナ科アブラナ属のハクサイと言えば、冬のあったかいお鍋の「名脇役」。もちろん、お鍋の具だけでなくいろいろな料理に活躍する、栄養素が豊富なお野菜です。
そんなハクサイの栄養と健康効果、歴史をまとめました。
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ハクサイの起源
ハクサイの原種は、地中海沿岸が原産地と言われています。そして、現在の形のハクサイにつながる品種は中国の北部で発達し、7世紀頃にはまだ丸く結球していない形のハクサイが登場したと考えられています。
結球したハクサイが出始めたのは、16~18世紀です。
日本に初めてハクサイが伝えられたのは江戸末期、本格的に栽培が行われるようになったのは日清・日露戦争後です。丸く結球させる技術が発達してから、大正、昭和初期にかけて一気に全国に広まりました。
ハクサイの種類
一般的なハクサイは「円筒形」と呼ばれるもので、外葉が緑色、中は黄緑から黄色です。品種には「はるさかり」「無双」「黄ごころ80」などがあります。

頭の部分がとがった形で葉が重なりあっていない「砲弾型(包合型)」は、漬物に適しています。 「半結球型」は上半分の葉が重ならずに開いています。葉が柔らかくて漬物に適しています。「砲弾型(包合型)」と「半結球型」は、あまり店頭には出回りません。
ミニサイズのハクサイは、一度に使い切れて使い勝手が良いことから、需要が高まっています。
ハクサイの旬と産地
ハクサイの旬は、鍋がおいしい冬。10月~2月頃に多く出回ります。産地は茨城県、長野県がそれぞれ全体のシェアの約30%を占めます。
良いハクサイの選び方
良いハクサイは、外側の葉が緑色で葉先までしっかりと巻かれていて、白い部分にツヤがあり、ずっしりと重いものです。真のカットした部分が乾いていたり変色したりしているものは避けましょう。

芯の長さが三分の一以上長いものは、育ちすぎていて味が落ちていることがあります。
ハクサイに含まれる栄養素
ハクサイには際立って含有量が多い栄養素はありませんが、様々な栄養素をバランスよく含んでいます。
ハクサイに含まれている栄養素は、ビタミンC・ビタミンB1・B2・B6などのビタミン類、カリウムやカルシウム、マグネシウム、亜鉛などのミネラルと、食物繊維などです。
ハクサイによる健康効果
カロリーが低いハクサイでダイエット
ハクサイは全体の約95%が水分で、100g当たりのカロリーは14kcalとかなり低カロリーです。さらに、食後に血糖値が急激に上がりづらい食材でもあるため、血糖値が気になる人やダイエット中の人にかなりおすすめの野菜です。
お鍋や煮物、炒め物にハクサイをたくさん使えば、料理のカサが増えて低カロリーなのに満腹感を感じ、食べ過ぎを防ぐことができます。
ダイエットに有効とされる野菜は、他に以下があります。
ダイエットについてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
むくみと便秘解消
むくみを解消するために有効な栄養素カリウムが、ハクサイに比較的多く含まれています。カリウムは体内のナトリウムの排出を促す効果があるので、体内に溜め込んだ余計な水分も一緒に体の外に出してくれます。
また、普段から食物繊維が不足しがちな人は、ハクサイをたくさん食べることで食物繊維を補給することができます。
むくみ解消については、ヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
むくみに有効なカリウムが含まれる他の野菜については、「カリウムが豊富な野菜ベスト10」で確認しましょう。
美肌の維持
ハクサイには、美肌の維持に欠かせないビタミンCが100g中19mg含まれています。これは、それほど多い含有量ではないのですが、リンゴや桃の約5倍、スイカの約2倍含まれています。
しかもハクサイはカロリーが低いので、ビタミンCが豊富なフルーツを食べる時ほどカロリーを気にせず、ビタミンCをたっぷり摂ることができるのです。
ビタミンCには活性酸素による老化現象から肌を守ってくれる抗酸化作用や、コラーゲンの生成と保護による美肌効果、シミ予防、メラニン色素の還元作用による美白効果なども期待できます。
ただし、ハクサイのビタミンCは熱で破壊されてしまうため、漬物やキムチ、サラダなどで食べましょう。
ビタミンCが含まれる他の野菜については、「ビタミンCが豊富な野菜ベスト10」で確認しましょう。
ハクサイのおすすめレシピ
ハクサイと言えば「お鍋」ですが、料理法はそれだけではありません。ハクサイの淡白な味を生かして、炒め物やクリーム煮、スープやサラダなどもおすすめです。
ハクサイのビタミンCを取りたいのであれば、漬物やサラダなど生で食べるか、短時間サッとゆでて食べると良いでしょう。