
ホウライタケ科シイタケ属のシイタケは、煮物や焼き物とどんな料理にも合います。干しシイタケにすると、栄養価とうま味がぐんと増します。
そんなシイタケの栄養と健康効果、歴史をまとめました。
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シイタケの起源
シイタケの原産地はアジアの熱帯の高地と考えられており、中国では古くから食用とされていました。
日本では鎌倉時代には食されていたようで、室町時代には将軍にシイタケを献上したという記録が残されています。江戸時代に入ると栽培が始まり、明治時代の中頃に乾燥用シイタケの原木栽培が、昭和の中頃になると菌床栽培の生シイタケの栽培が始まりましました。
シイタケの種類
シイタケは栽培方法には「原木栽培」と「菌床栽培」があり、それぞれ味や性質が異なります。

コナラやクヌギの木を使って栽培するのが「原木栽培」です。原木栽培のシイタケは、肉質が締まり、香りと風味が強いのが特徴です。菌床栽培のシイタケより日持ちはしませんが、歯切れがよくおいしいです。
一方「菌床栽培」は、おがくずに米ぬかや米のふすまを加えた培地で栽培する方法です。原木栽培のシイタケと比べると、肉質は柔らかく味や香りが劣りますが、日持ちが良くなります。大量生産が可能なので、価格が安いのも特徴です。
「乾燥シイタケ」はほとんどが原木栽培です。肉厚で丸みがあるものが「どんこ(冬菇)」、カサが開いて薄めのものを「こうしん(香信)」といいます。煮物や鍋などでしっかりとシイタケの食感を味わいたいなら「どんこ」を使いますし、ちらし寿司や炊き込みご飯などで風味付けをしたいなら「こうしん」を使います。
シイタケの旬と産地
シイタケの旬は秋。10月から3月にかけて多く出回ります。主な産地は徳島県や北海道、岩手県です。
良いシイタケの選び方
良いシイタケは肉厚で、カサが開きすぎていないものです。軸は短めで太いものが良いでしょう。カサの裏側のヒダが変色していないものを選びます。

ヒダが変色していたり、カサが開ききっていたりすると鮮度が落ちています。
シイタケに含まれる栄養素
シイタケには、ビタミンB1、B2、Dやナイアシンなどのビタミン類やミネラル、さらに、うまみ成分であるグアニル酸やグルタミン酸、そして多糖類や食物繊維も含んでいます。
シイタケによる健康効果
免疫力アップ
シイタケには、高分子多糖体である「βグルカン」が豊富に含まれています。このβグルカンには免疫機能に関わる細胞を活性化させる働きがあり、免疫力をアップしてくれます。
さらに、シイタケに含まれるビタミンDにも免疫力をアップさせ、細胞の代謝を高める働きがあります。またβグルカンの一種「レンチナン」には、がん細胞の増殖を抑える効果があることがわかっています。
このように、シイタケには免疫力を高める働きがある成分が、数多く含まれています。
免疫力アップに有効な野菜といえば、他に以下が挙げられます。
ダイエットと便秘解消の効果
シイタケは、生の状態で100gあたり4g以上の食物繊維を含んでいます。不溶性食物繊維の割合が大きいので、水分を一緒に摂ることで、体内の脂肪や老廃物を吸着して体外に排出してくれる効果が高まります。
便秘解消についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
また、シイタケは100gあたり19kcalと低カロリーですから、カロリーを摂りすぎる心配もありません。
ダイエットについてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
ダイエットに有効な野菜といえば、他に以下が挙げられます。
シイタケのおすすめ調理法
シイタケは、天日干しするとビタミンDが約8倍も増えます。しかし、市販の乾燥シイタケは天日干しではなく、熱風を当てて乾燥させたものが多いので、注意が必要です。生シイタケなら、30分から1時間ほど日光に当てればビタミンDを増やすことができますから、お試しください。
また、干しシイタケを戻すときにお湯で戻すと早く戻りますが、冷たい水で戻した方が栄養価の低下やうま味が損なわれるのを防ぐことができます。5~6度の冷水で8時間以上かけて戻すと、最もおいしい状態になると言われています。冷蔵庫で水に一晩つけておくと良いでしょう。
もちろん、戻し汁は料理に使うと、良い出汁になります。