野菜を先に食べるベジファースト、本当に効果あるの?

ベジファーストイメージ

中年になり、お腹まわりのお肉がだぶついてくると、楽なダイエット法を探して日夜ネットを徘徊することも。

野菜先食べダイエット」なるものがちらほらと目に入り、野菜を先に食べるだけで痩せる、血糖値が上がらない、などの文言もよく見かけます。

野菜さえ先に食べれば、あとはたらふく食べても太らないなんて、まさに夢のような話ですね。

「本当かな?」と夢見心地で調べてみると、意外と複雑な人体の消化メカニズムが関係していることが分かりました。

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野菜は先食べると体に良いのか?

疑問イメージ

「野菜が体に良い」というのは、最近では誰でも知っていることでしょう。健康番組や医療番組を見ていると、最後に野菜の効能を紹介して終わるものも多いです。

場合によっては、野菜さえ食べていれば不老不死になれるくらいの気持ちにさせられることもあります。

「流行りの野菜先食べダイエットも、きっとそういう流れだろうな」と思いながら、「野菜さえ先に食べればいいのか!」と、先に野菜を食べてはみるものの、主菜である肉や魚が「早く僕を食べないと冷めちゃうよ」と呼んでいる気がして、ついそちらを食べてしまう―。

このように、「野菜を先に食べる理由」を理解していないと、結局食べ過ぎてしまいます。

しかも、実際にはじめてみると冬場のサラダは案外きついものです。朝食のサラダも慣れないとストレスを感じてしまいます。

サラダイメージ

ただでさえ、朝は胃酸過多なのに、そこへお酢のたっぷり入ったドレッシング味のサラダなんか食べられない、耐えられずにパンを食べてしまう、という方もいると思います。

そんな悩みを抱えているとき「まずは正しく消化のメカニズムを知りましょう」と、救いの手を差し伸べてくれたのは、分子整合医療や血糖値コントロールについて日夜研究し、栄養指導もしている看護師の方でした。

「なぜ、いわゆる“ベジファースト”が良いのかを正しく理解しないから、長続きしないのかもしれません。人間は理解できていないことは続かないものです。まずは、食べ物を食べるということは、どういうことなのか学びましょう。」と言われたことをきっかけに、考え方・食生活を見直すことになりました。

なぜ野菜を先に食べるのか。ポイントは「血糖値」にあり

野菜を先に食べるイメージ

ベジファーストがダイエットに効く理由を探るために、牛や馬といった草食動物のメカニズムを見てみましょう。

彼らは草だけ食べてあんなに大きな体をしていますが、人間はどうでしょうか。

人間は「野菜」という草を一応は食べていますが、野菜だけの食物で、運動のためのカロリーを維持できるかと聞かれると、答えはおそらく「ノー」でしょう。

野菜は人間にとっては低カロリーの定番ですが、草食動物である馬や牛、キリンや象ですら、あんなに大きな体をしているのに、草を食べて元気に動き回っています。低カロリーの草しか食べていないのに動き回れるとは、人間にはない秘密があるに違いありません。

草食動物イメージ

草食動物はカロリーを草から摂れるのに、人間にとっては野菜が低カロリーになってしまう。その理由は、野菜の大部分が「水」と「セルロース」でできているからです。

ちなみにセルロースとは、植物細胞の大部分を形作る細胞壁の素材です。そして、草食動物は人間の4倍から10倍もある長い消化管の中に、セルロースを「糖」に変えることのできる細菌を飼っています。

このようにして、草食動物は草を食べるだけでエネルギー源を生成しているのです。しかし人間にはそうした機能がないので、このセルロースをエネルギー源として利用できません。

それでは、人間はなぜ野菜を食べているのでしょうか。飲み込んだ野菜はお腹の中でどうなるのでしょうか。

人間の場合は、セルロースが「食物繊維」になるのです。食物繊維を言えば、カロリーには全くなりませんが、便秘に効果的でよく知られています。

そうすると、野菜がダイエットに効くというのは、いくら食べてもカロリーに転換できないから、野菜を先にたくさん食べてお腹を膨らませて、他の食事を減らす作戦ではないかと思う人もいるでしょう。

実はそうではなく、ポイントはこのセルロースと血糖値の関係なのです。

セルロースと血糖値の関係がポイント

血糖値イメージ

ベジファーストがダイエットに効く理由は、食事のとき野菜を先に食べると、その主成分であるセルロースが、後から食べたデンプンや脂肪を吸着し、血糖値が急激に上がらないようにしてくれるというメカニズムがあるからです。

ごはんやパン、甘いお菓子などの炭水化物を食べると血糖値が上昇するというのは、皆さんよくご存知だと思います。その血糖値が急激に上がらないようにしてくれるのが、野菜の中に含まれる、人体には吸収できないセルロースだということです。

2010年に城西大学の金本郁男博士らが行った調査では、ごはんを食べる前に生キャベツ60gにドレッシングをかけたサラダを先に食べた場合と、ごはんを食べたあとに生キャベツのサラダを同量食べた場合を比較した結果、先にごはんを食べたときには血糖値が食後30分でピークになり、その後急降下しました。

また、野菜を先に食べたときには血糖値が徐々に上がって食後90分でピークを迎え、その後ゆっくり下降していきました。全体的に野菜を先に食べたときは血糖値自体も低くなり、先にごはんを食べてしまったときと比較して39%も低かったそうです。

そもそも、血糖値が急激に上がるのはいけないことなのでしょうか。そこで、食べたごはんのその後を追ってみることにします。

ごはんイメージ

ごはんをはじめとしたデンプンや砂糖など、いわゆる「糖質」は、胃に入ると即座に分解されてブドウ糖に変わります。

ブドウ糖は動物生体内ではグルコースと呼ぶのですが、このグルコースが小腸で吸収されると肝臓を通り、血液中で増加します。血液中に満たされたグルコースを感知すると、すい臓から「インスリン」というホルモンが分泌されます。

このインスリンがグルコースを捕まえて、筋肉細胞に取り込ませたり、余ったグルコースを脂肪細胞に取り込ませて貯蔵する役目を果たしています。

ここで、聞き捨てならないセリフがありませんでしたか?余ったグルコースを脂肪細胞に取り込ませて貯蔵する、という一文です。要するに、糖分がぜい肉になってしまうということなのでしょうか。

血液中にあふれた糖が、ぜい肉に変わってしまう

ぜい肉イメージ

答えは残念ながら「イエス」です。お腹についたぜい肉の正体は、食べ過ぎたごはんやパン、お菓子が変化したブドウ糖、つまりグルコースということになります。

血糖値の数字が大きく跳ね上がるということは、いわば兵士の数の違いのようなイメージなのです。

糖という軍勢が攻めてきて、インスリンが迎え撃つ。しかし、糖が大軍で押し寄せてくると、インスリンが対応できる量には限界があるわけです。インスリンは、第一段階は筋肉細胞に取り込ませるものの、それでも糖が余ると、第二段階として脂肪細胞に糖を送り始めてしまいます。

インスリンが別名「肥満ホルモン」とも呼ばれているのは、このような理由があるからです。そして、脂肪細胞に送り込むのも限界なほど、信じられない数の糖の大軍が攻めてきたら、体はどうなるのでしょうか。

兵士イメージ

ある程度想像はできると思いますが、実は非常に怖い事態が生じます。インスリンが足りないために脂肪細胞でも取り込みきれなかったグルコースは、そのまま血流に乗って流れていきます。すると、血管内部にこびりつき、腎臓や手足の先の細かい血管を詰まらせることもあるのです。

この「細い毛細血管を真っ先に詰まらせる」というのが、糖尿病による合併症です。糖尿病が怖いのではなく、糖尿病による合併症が危険なのです。

真っ先にデリケートな細い血管が詰まるため、糖尿病になると、よく足の指が腐る、眼の網膜がやられて失明する、尿を濾過する毛細血管が詰まって腎臓病になり、人工透析になってしまうなどと言われるのです。

だからこそ、野菜の細胞壁であるセルロース、つまり食物繊維を先にお腹の中に入れることが大事なのです。そして、インスリンが迎え打てないほどの軍勢で、グルコースが血管内に押し寄せないようにしましょう。

つまり、自分のインスリン分泌能力に見合った食事をするということです。インスリンの不足分を補うための一つの知恵が、べジファーストという食事法です。

では、どのくらいの野菜を先に食べたら良いのでしょうか。よくファミレスのハンバーグに添えられている、指2つぶんくらいのブロッコリーやポテト、ファミレスランチやモーニングについてくるミニサラダ程度でよければ、楽にべジファーストできそうなのですが。

疑問イメージ

実は野菜の中には、糖質の多いものもあります。例えばニンジン、カボチャ、ジャガイモといった根菜類です。これらはべジファーストのための野菜には適していません。

太る野菜と痩せる野菜については、以下でまとめていますので併せてご覧ください。

食べると太る野菜と痩せる野菜がある?野菜ダイエットの注意点とは?
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野菜はダイエット食というイメージがありますが、すべてがそうとも言い切れないようです。食べ過ぎると太ってしまう野菜もあり、逆に食べれば痩せる野菜もある?真相をまとめてみました。

べジファーストに向いているのは、根菜をのぞいた緑黄色野菜や葉物野菜、海藻類です。これらをできれば毎食、最初に100g~120g程度は摂りたいところです。

100g以上となると、量的には軽く、かごいっぱいになるくらいの山盛りになります。いくら体のためとはいえ、こんなにサラダを食べられるかな、と不安になる人もいるでしょう。何とかして食べやすくする方法はないのでしょうか。

理想は伝統的な和食

和食イメージ

サラダにしようと思うと非常にかさばるので大変ですが、例えば炒めたり、味噌汁に入れたり、蒸したり、ゆでたりしたらどうでしょう。だいぶ、かさが減ります。

一押しは、味噌汁と漬物です。食事に必ず野菜たっぷりの味噌汁を添えて、浅漬けやおひたしを足しましょう。そしてそれを先に食べるようにするのです。

そうすると、血糖値の上昇がゆるやかになり、糖尿病のリスクを軽減できるだけでなく、ダイエット効果も期待できます。つまり、日本の伝統的な和食が体に良いということなのです。

しかし、最近は手軽なパン食の人も多いため、朝から和食を用意するのは大変という場合は、スムージーにして丸ごと飲んでしまうというのも手です。

とはいえ、ジューサーで水分だけ絞るというのはNGです。なぜなら、食物繊維はジューサーに残る搾りかすのほうなので、野菜を丸ごと摂れる方法にしましょう。

以下で野菜ジュースで効果的に栄養を摂る方法をまとめていますので、こちらものちほどご覧ください。

野菜ジュースで栄養を効果的に摂る方法とは?
野菜ジュースで栄養を効果的に摂る方法とは?

コンビニなどで気軽に購入できる野菜ジュース。果たして栄養効果はあるのでしょうか。添加物が入っていない、自分で作る野菜ジュースのレシピも考えてみました。

まとめ

ぽかぽか陽気のある日、街に出るとちょうどお昼どきです。ついファミレスに立ち寄って、美味しそうなハンバーグランチを注文…といきたいところですが、いつものパンとコーンスープのセットをやめて、豚汁とシーザーサラダを頼みました。

先にそれらを全部食べてしまうと、なんだかお腹が膨れて、ごはんを半分残してもいいか、という満足感が得られました。これなら、三日坊主の私でも続けられそうです。

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