
キジカクシ目ヒガンバナ科のニンニクは、ネギの仲間の多年草です。ニンニクはスパイスのイメージがありますが、香味野菜になります。その香りの強さから、人と会う前日に食べるのを控えることもあるのでは?
そんなニンニクの栄養と健康効果、歴史をまとめました。
スポンサーリンク
ニンニクの起源と歴史
紀元前3200年には古代エジプトで、食用や薬用として栽培されていました。
あの歴史的建造物であるピラミッドを建てる際にも、タマネギやラディッシュを労働者に配給していたという伝説もあります。
アレキサンダー大王の軍勢やキリスト教徒の十字軍遠征の際にも食べられていたそうです。
日本へはインド、中国、朝鮮半島を経由して伝来します。伝わった時期ははっきりとはわかっていません。
「古事記」や「日本書紀」での記載があることから、薬用や魔よけとして使用されていたことがわかっています。
ニンニクの種類
ニンニクの種類は大きく分けると、寒冷地向きと暖地向きの2つになります。
寒冷地向けのニンニク
寒冷地向けで最も有名なものが「福地ホワイト六片」。青森県福地村を原産とした、皮も実も白い品種です。
「富良野」は富良野原産の品種で、白い薄皮に覆われていますが、実は赤紫色。
北海道在来は北海道で古くから栽培されているニンニクで、皮は白ですが実はピンクという品種です。
暖地向きのニンニク
暖地向きは馴染みのないものが多いかもしれません。
長崎県で栽培される大球の「平戸ニンニク」は、香りも味も柔らかく、ニンニクの苦手な人でも食べやすいでしょう。
九州地方や四国地方で栽培される「上海早世」は、一般的なニンニクよりも早く収穫ができます。こちらも香りと味が柔らかいのが特徴。
沖縄県で古くから栽培されているのが「島ニンニク」。強い香りと辛味を楽しみたい人におすすめなニンニクです。
ニンニクの食感
ジャガイモに似た食感があります。生の状態はシャキシャキで、火が通るとしっとりふっくらします。
ニンニクの旬と有名な産地
国内の生産量の80%を占めるのが青森県産です。田子町は早くからニンニクのブランド化に着手し、成功しています。
生ニンニクを熟成発酵させた「黒ニンニク」や水耕栽培の「姫ニンニク」「葉ニンニク」などがあります。
旬は6月下旬から7月です。
良いニンニクの選び方
皮が白く、つやのあるものが良いです。大きな粒でよく締まっているものを選びましょう。

乾いていて軽いものや、芽が出かかっているものは、古いものなので避けるようにしましょう。
ニンニクに含まれる栄養素
ビタミンB16やビタミンB群、葉酸、ビタミンCなどのビタミン類、カリウムやマグネシウムなどのミネラル類、臭みの素のアリシンなど、栄養素が豊富です。
ニンニクによる健康効果
疲労回復効果
ニンニク特有のアリシンが、ビタミンB1と結合してできるアリアチミンになります。
アリアチミンは吸収率が高く、血中に長く留まるため、ビタミンB1単体のときよりも、糖エネルギーの代謝が向上します。
そのため、疲労回復の効果が期待できます。
疲労回復についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
精神の安定効果
脳のエネルギーであるブドウ糖の代謝に、ビタミンは欠かせません。不足すると、低血糖症を起こし、倦怠感や疲労感などを引き起こすことも。
しかし、ニンニクに含まれるアリシンによりビタミンB1の吸収率がより上がり、精神安定の作用が働くといわれています。
冷え性や血行改善効果
ニンニクに含まれるスコルジニンには抹消血管拡張作用があり、アリシンとの相乗効果で血行促進の期待が持てます。
冷え性改善についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
ニンニクの下処理と保存方法
薄皮をむき、小さな房に分けましょう。芯は火を通すと苦味が出るので取り除きましょう。
芽が出やすくなるため、冷蔵庫へ入れることは控えましょう。ネットなどに入れて、風通しの良い場所で常温保存するのがおすすめです。
新ニンニクは水分が多く、傷みやすいので注意が必要です。
ニンニクのおすすめの調理法
ニンニクを単体で食べることは、あまりないのではないでしょうか。
アリシンは、ビタミンB1と併せると疲労回復に期待が持てます。ビタミンB1は豚肉に多く含まれるので、ニンニクと一緒に炒めると効果が期待できそうです。