オクラはアオイ科トロロアオイ属の植物または食用果実です。熱帯では多年草ですが、寒さに弱いため日本では一年草となります。
原産地はアフリカ北東部で、日本でも広く普及されている野菜です。
そんなオクラの栄養と健康効果、歴史をまとめました。
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オクラの歴史と種類
便秘・夏バテを解消する独特のぬめりが特徴なのがオクラです。日本では、幕末にアメリカから入ってきましたが、一般家庭で食されるようになったのは1970年ごろからと言われ、日本では歴史の浅い野菜です。
主に店頭に並んでいるものは“五角種”と呼ばれる角が張ったものが多いですが、そのほか様々な種類のオクラがあります。
それ以外の時期では、輸入したオクラが販売されていることが多いです。オクラにはさまざまな種類があります。
オクラ(五角種)
一般的に出回っているオクラで、切り口が星形になります。生で食べても加熱して食べても良い種類です。10cm以上のものだと硬くなり、食べ難くなります。
ミニオクラ
2~3cmの早採りしたオクラで柔らかく、生のまま食べることができます。
丸オクラ
角張っていないオクラです。沖縄の「島オクラ」、八丈島の「八丈島オクラ」が有名です。大きく育っても硬くなりにくいため大きさに関係なく食べることができます。
白オクラ
白みがかった淡緑色のオクラで、山口県で主に栽培されています。五角種のオクラと比較すると、粘りが強いのが特徴です。
赤オクラ
皮が赤い五角種のオクラで、加熱すると緑色になります。皮の色以外は通常のオクラとほぼ変わりません。色を楽しむ場合は、生のまま食べると良いです。
オクラの旬と有名な産地
オクラの旬は6~9月頃で、鹿児島県・高知県・沖縄県などの温かい地域で栽培されています。
良いオクラの選び方
6~10cmくらいの小ぶりのものを選ぶと良く、これ以上の大きさのものだと硬くなっていることが多いです。
ただ、丸オクラは大きいものでも柔らかく食べることができます。また、うぶ毛が残っているもので、濃緑色でしなびていないものを選びましょう。
オクラに含まれる栄養素と健康効果
オクラと言えば"ぬめり"。このぬめりの成分は「ペクチン」と「ムチン」です。
ペクチン
ペクチンは整腸作用を持ち、コロコロ便の便秘改善や血圧・コレステロール値を下げる働きがあるため、糖尿病や動脈硬化の予防に有効です。
便秘改善についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
ムチン
ムチンはタンパク質の消化吸収を助ける働きがあります。
また、カリウム・食物繊維・カロテン・カルシウム・鉄などが豊富のため、高血圧・心筋梗塞・脳梗塞予防、便秘改善、免疫力向上、疲労回復、夏バテ防止など効果が期待できます。
高血圧予防についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
疲労回復についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
オクラの保存方法
低温・乾燥に弱いため、ポリ袋に入れて野菜室で保存しましょう。また、冷暗所であれば冷蔵庫保存する必要はありません。
冷やしすぎると劣化が早くなります。また、オクラはしなびてしまうスピードが早いため、3日程度で食べきると良いです。
オクラのおすすめの調理法
調理をする前に、まずは美味しく食べるために下ごしらえをすることが大切です。塩をこすりつけるようにして洗うと、うぶ毛が綺麗に取れるため色鮮やかに調理することができます。ヘタには苦味があるため、切り落としましょう。
また、茹でる際は塩茹で2分程度が丁度良い食感となります。これ以上茹でてしまうと柔らかくなるため、食感を残したい料理の場合は、2分を目安にしましょう。ネバネバを強く出したいときは、細かく刻んだり加熱すると良いです。
炒め物
下茹でしたものを最後にからめるように加えることで、オクラの食感を損なうことなく食べることができます。
煮物
他の食材に火が通ってから煮込むことで、オクラの色が保たれ、彩の良い煮物に仕上がります。
生のまま
サラダや和え物に。食感を楽しむことができ、彩りもばっちりです。
ソースとして
種を取り、細かく刻んだりフードプロセッサーにかけるなどしてソース状とし、お好みの調味料を加えることで、ソースとして利用できます。
また、オクラは世界各地で食べられており、炊き込み・煮込み・スープなどにも利用されています。魚介類、きのこ類、大豆製品、緑黄色野菜、海藻類と合わせて摂取することで、動脈硬化予防や夏バテ防止をさらに効果的にしてくれます。
まとめ
オクラは栄養素も豊富のため、バランスの取れている野菜です。世界各地で食べられている野菜のため、様々な料理に使われています。
日本料理だけにとらわれず、パスタに加えたり、柔軟な発想でオクラ料理のレパートリーを増やしてみてはいかがでしょうか。