モエギタケ科スギタケ属のナメコの代表料理と言えば、ナメコ汁。ナメコは日本が発祥の食材です。独特のぬめり成分にも注目です。
そんなナメコの栄養と健康効果、歴史をまとめました。
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ナメコの起源
ナメコは、日本が原産です。いつ頃から食べられていたのかは定かではありませんが、縄文時代の遺跡からキノコの形の土製品が出土していることから、キノコは縄文時代から食べられていたようです。
昭和初期まではブナの倒木や切り株に自生したものが食べられていましたが、大正時代に入ると原木栽培がスタートしました。戦後にはおがくずを使った大量生産が可能な菌床栽培も始まり、広く食べられるようになりました。
ナメコは台湾や中国の一部でも自生していますが、ナメコを食用にしているのは日本だけです。
ナメコの種類
一般的によく流通されているのは、おがくずなどで栽培する「菌床栽培ナメコ」です。以前は株をばらして販売されるものが主流でしたが、最近は株つきの商品も販売されるようになりました。カサが小さいタイプだけでなく、カサの大きなナメコも増えてきています。
ブナやトチの木を使って栽培する「原木栽培ナメコ」は、カサが大きく茎も太くなっています。菌床栽培ナメコよりも風味が良く天然ナメコに近いものがありますが、高価であまり店頭に並ぶことはありません。
ナメコの旬と産地
ナメコの旬は秋で、原木栽培ナメコは10月から11月頃に収穫されます。菌床栽培ナメコは、年間を通して出回ります。
ナメコの産地は、主に新潟県や長野県、山形県などです。
良いナメコの選び方
良いナメコは、肉厚で全体的にツヤがあります。
一株で買う場合は、カサが肉厚で大きさが揃っているものが良いでしょう。
ナメコに含まれる栄養素
ナメコには含有量が多くないものの、様々な栄養素が幅広く含まれています。ビタミンB群や葉酸、カリウム、マグネシウム、リン、鉄、銅、亜鉛などです。
また、ナメコ独特のぬめり成分である水溶性食物繊維のムチンや、不溶性食物繊維のβグルカンなども、健康を保つためにとても役に立ちます。
ムチンが含まれる代表的な野菜としては、他に以下があります。
ナメコによる健康効果
目や胃の粘膜の保護効果
ナメコのぬめりの元になっているのが、「ムチン」という成分です。
ムチンは、人間の目や胃の粘膜にも存在しています。ムチンを補給すれば、目や胃の粘膜を保護することができ、ドライアイの解消や胃炎や胃潰瘍の予防につながります。
眼については、眼精疲労の改善についてヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
消化吸収力のアップ
ムチンには、肝臓や腎臓、胃腸の働きを高める効果や、タンパク質の消化を促進する働きもあるため、摂取すれば消化吸収力を高めることができます。
腸内環境を改善し、便秘を解消する
ナメコのぬめり成分ムチンは、水溶性の食物繊維です。また、βグルカンという不溶性の食物繊維も含まれています。
食物繊維の量は多くはありませんが、水溶性と不溶性の両方の食物繊維がバランスよく含まれていることで、腸内環境が効率良く改善されます。
また、ムチンは水溶性食物繊維という多糖類なので、腸内の善玉菌のエサにもなります。善玉菌は増えれば、腸内環境の改善が進みます。
腸内環境が良くなると、腸内の老廃物や有害物質の排泄が促進され、便秘の解消に役立ちます。
便秘解消についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
免疫力のアップ
ナメコに含まれるβグルカンには、免疫力の向上やがんの抑制効果があることがわかってきました。
がんの抑制効果についてはまだ研究段階ですが、風邪やインフルエンザウイルスなどから体を守る、免疫機能を活発化させる効果にはかなり期待ができます。
もし風邪にかかってしまった際の早期回復については、ヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
ナメコのおすすめ調理法
ナメコは、必ず加熱してから食べます。 軽く水洗いした方がよいものもありますが、ぬめりにはムチンという栄養成分を含みますから、ぬめりを落とさずに食べましょう。
水洗いしなくても良いものもあるので、袋に書いてある説明をよく見てください。
ナメコ汁や大根おろしにそえて食べる調理法以外にも、オリーブオイルなどで炒めたり、オイル漬けにしたりする調理法もあります。