キク科シュンギク属のシュンギクは、お鍋に欠かせない栄養満点な冬野菜です。サラダでも美味しくいただける、頼れる野菜の1つです。
そんなシュンギクの栄養と健康効果、歴史をまとめました。
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シュンギクの起源
シュンギクの原産地には諸説あり、トルコやギリシャなど、地中海沿岸と考えられています。当時は観賞用として栽培されており、中国に伝えられて初めて食用として使われたようです。
今でも世界でシュンギクを食用としているのは、日本、中国、東南アジアなど限られた地域です。日本に伝わったのはいつか、はっきりしたことはわかっていませんが、15世紀後半の文献にシュンギクの記述があったことから、この頃にはすでに伝わっていたと考えられます。
シュンギクの種類
一般的に店頭に出回っているのは「中葉種」と言われる種類です。香りが強く、葉に深い切れ込みがたくさんあります。
また、関東と関西では収穫の仕方が違います。関東では「株立ち中葉種」という茎の根元を切って収穫し、関西では「株張り中葉種」という根っこが付いた形で収穫します。
中国地方や九州で栽培されている「大葉種」は、葉が大きくて柔らかく肉厚で、香りも中葉種ほど強くなく、クセもありません。
生食用の「サラダシュンギク」というものもあり、こちらは茎が細くマイルドな味です。
シュンギクの旬と産地
シュンギクの旬は、鍋の季節の冬。10月から3月にかけて出回ります。
産地は大阪府、千葉県、茨城県などです。
良いシュンギクの選び方
良いシュンギクは葉がピンと張っていて、緑色が濃く、茎の下の方まで葉がついています。
茎が太いものは、成長しすぎてかたいことがあります。葉が枯れてしおれたり黄色くなっていたりするものは、避けましょう。
シュンギクに含まれる栄養素
シュンギクの栄養素で含有量が多いのは、β-カロテンです。100gあたりのβ-カロテン含有量は4500μgと、カボチャやホウレンソウを上回ります。
β-カロテンを多く含む野菜としては、他に以下があります。
他にも、ビタミンEやビタミンB群、カリウム、カルシウム、鉄分、食物繊維などを豊富に含みます。
シュンギクによる健康効果
胃腸のサポート
シュンギクに豊富に含まれるβ-カロテンは、体の中でビタミンAに変換されます。ビタミンAは体の粘膜を保護し、修復してくれるため、胃腸が丈夫になります。
また、「リモネン」や「ペリルアルデヒド」などによるシュンギクの独特の香りを嗅ぐと、唾液や胃液の分泌を促し食欲を高め、消化機能を促進させてくれます。
免疫力のアップ
β-カロテンが変換してできたビタミンAは、肺などの呼吸器官を丈夫にし、喉や鼻の粘膜を保護する力があります。そのため、抵抗力を高め、雑菌やウイルスから体を守る力が強くなる効果が期待できます。
また、β-カロテンそのものが抗酸化作用を持っているため、体内の活性酸素を抑えて免疫力を高める効果も期待できます。
β-カロテンを多く含む野菜としては、他に以下があります。
貧血や冷え性の予防
シュンギクには豊富な鉄分、そして葉緑素であるクロロフィルが含まれています。これらの成分は血液の循環を助けてくれるので、貧血の予防に役立ちます。
貧血の改善についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
さらに、ビタミンEには末梢血管を拡張する働きがあり、体の隅々まで血液が行き渡ることで、冷え性を防ぐ効果も期待できます。
冷え性改善についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
美肌の維持
β-カロテンやビタミンA、ビタミンE、ビタミンCは、抗酸化作用が高いビタミンです。そのため、肌のアンチエイジング効果が期待できます。また、ビタミンCには美肌効果があります。
シュンギクが出回る冬は、お肌のトラブルが多い季節でもあります。シュンギクをたくさん食べて、トラブルからお肌を守りましょう。
シュンギクのおすすめ調理法
シュンギクの独特な苦みは葉の部分を加熱すると強くなりますが、茎の部分は加熱しても苦くなりません。シュンギクの苦味が苦手、という人は、葉の部分はあまり加熱しないでサラダなどにして食べると良いでしょう。
また、β-カロテンは油に溶けやすいので、炒め物にすると効率良くβ-カロテンを摂ることができます。