アブラナ科アブラナ属のカブは、冬の代表的な味覚の1つです。日本での歴史は古く、春の七草の「すずな」はカブのことです。
そんなカブの栄養と健康効果、歴史をまとめました。
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カブの起源
カブの原産地は、地中管沿岸や西アジアのアフガニスタン地域など、諸説あります。
中国では、2000年前にすでに食されていました。三国志で有名な諸葛亮公明が、遠征の際に食料にしたと言い伝えられていることから、「諸葛菜」という別名もあります。
日本では奈良時代にすでに食されており、「日本書紀」や「万葉集」にもその名が登場しています。江戸時代には全国で栽培されたため、現在も日本各地で地域特有のカブが栽培され続けています。
カブの種類
直径5~6センチの「子カブ」、7~14センチの「中カブ」、直径が15センチにもなる「大カブ」があります。全国で栽培されている「子カブ」は、東京金町で特産だった「金町子カブ」が改良され広まったものです。
カブには、日本全国で栽培されているご当地カブの種類が多いのも特徴です。
京都の千枚漬けに使われる「聖護院カブ」、大阪の伝統野菜「天王寺カブ」、滋賀県の皮が赤く中身が白い「万木(ゆるぎ)カブ」、同じく滋賀県特産の紫色で細長い「日野菜カブ」、山形で江戸時代から栽培されている皮が赤紫色の「温海(あつみ)カブ」、牛の角の様な形の島根県の特産「津田カブ」、石川県の特産かぶら寿司を作るのに使われる「金沢青カブ」、博多の「博多据りカブ」など、様々な種類があります。
カブの旬と産地
カブの旬は冬で、10~12月頃に多く出回ります。
千葉県が全体の約31%のシェアを占めており、埼玉県、青森県と続きます。
良いカブの選び方
良いカブは皮にハリとつやがあり、肩が盛り上がって、ずっしりと重みがあります。葉がついていれば、葉の色が鮮やかでみずみずしいものを選びましょう。
ひび割れやキズがある、ひげ根が多すぎるものは避けましょう。
カブに含まれる栄養素
カブの根っこの部分には際立って豊富な栄養素が含まれているわけではありませんが、幅広い栄養素が含まれています。
ビタミンCや葉酸、カリウムの他に、消化酵素アミラーゼや辛み成分のイソチオシアネートなどの成分が近年注目されています。
カブによる健康効果
胃腸の消化機能を高める
カブに含まれる消化酵素のアミラーゼには、デンプンの消化を助け、胃酸の分泌をコントロールする働きがあります。また、イソチオシアネートには殺菌作用に代表されるようなデトックス効果、食欲増進作用、消化の促進作用があります。
このようにアミラーゼとイソチオシアネートが、胃腸の消化機能を高めてくれるのです。
デトックスに効果的な野菜としては、カブの他に以下が挙げられます。
むくみの解消
カブには、体の水分を排出してくれる利尿作用を持つカリウムや、血行を促進してくれるナイアシンが含まれていますから、むくみの解消効果に期待ができます。
むくみ解消に有効な野菜は、他に以下があります。
むくみ解消についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
老化防止と生活習慣病の予防
カブには、抗酸化作用が高いビタミンCが比較的豊富に含まれています。また、辛み成分のイソチオシアネートにも高い抗酸化作用があり、血中の悪玉コレステロールの酸化を抑えてくれます。そのため、酸化による老化現象や動脈硬化などの生活習慣病の予防に役立ちます。
カブの中でも赤カブには赤色のもととなる「アントシアニン」が含まれています。アントシアニンには高い抗酸化作用がありますから、老化防止や生活習慣病予防のより高い効果が期待できます。
生活習慣病予防に有効な野菜は、他に以下があります。
カブのおすすめ調理法
小さいカブは皮も食べられますが、中カブや大カブの場合、皮がかたいので厚めに向いて調理しましょう。皮はキンピラにして食べることもできますし、葉は漬物や炒め物にできますから、捨てるところはありません。
カブは煮崩れやすいので、火の通しすぎには注意が必要です。
また、赤カブは漬物や酢漬け、サラダにすると、鮮やかな赤色を楽しむことができます。