キシメジ科キシメジ属のマツタケは、秋の味覚の王様です。芳醇な香りで誰もが食べてみたいと思うマツタケですが、人工栽培ができずなかなか手に入りにくいため、とても貴重で高価な食材です。
そんなマツタケの栄養と健康効果、歴史をまとめました。
スポンサーリンク
マツタケの起源
マツタケは日本や中国、朝鮮半島などに古くから分布していました。日本では万葉集や古今和歌集にも登場していたと言われており、古くから親しまれていたことが分かります。
外国ではマツタケを食べる習慣がなく、その香りを素晴らしいと思うのは日本人だけのようです。
マツタケの種類
国内産のマツタケは、赤松の林に発生します。やはり国内産は香りが高く一番おいしいですが、希少価値が高く高級品です。最近では海外産のマツタケが店頭によく出回っており、価格も安く手に入れやすくなっています。
中国産のマツタケは、雲南省や四川省などの南西部や吉林省や黒竜江省などの東北部で収穫されます。見た目はほとんど国内産と同じですが、肉質は柔らかめで、収穫されてから店頭に並ぶまで時間がかかるため、香りは少なめです。
韓国産のマツタケも、ほぼ中国産と同じで、香りは低めで食感は柔らかめです。
アメリカ産とカナダ産のマツタケは「アメリカマツタケ」とも呼ばれていて、日本のマツタケとは種類が異なり、見た目は白っぽいです。味や香りは日本のマツタケに似ています。
スウェーデンやフィンランドでとれる北欧産マツタケは、DNA的に日本のマツタケと同じグループに属しています。そのため、香りは輸送中に低下していますが、味や見た目は日本のものとほとんど同じです。
トルコやモロッコ産のマツタケは「オウシュウマツタケ」といい、日本のマツタケと種類が異なりますが、色や見た目は国内産のものに似ています。
マツタケの旬と産地
マツタケの旬は、もちろん秋。国内産のものは9月から10月頃にかけて出回ります。中国産や韓国産、カナダ産、アメリカ産など、外国産のものは7月から11月に店頭に並びます。
長野県が全体の約76%の生産量を誇ります。
良いマツタケの選び方
カサがまだ開いていない状態の「コロ」と呼ばれるマツタケは、まだ小さく柔らかいですが、香りは少なめです。カサが開いて成長するにつれて、「つぼみ」「中つぼみ」「開き」という呼び名に変わります。
香りとうま味のバランスが一番優れているのは、カサが開き始めた「つぼみ」で値段も高く高級品です。カサが開いた「開き」は一番香りが強く、マツタケご飯に適しています。
軸が太くて弾力があるもの、カサの裏のヒダが変色していないものを選びましょう。
乾燥していると鮮度が落ちています。また、軸が柔らかいものは虫に食われている可能性があります。
マツタケに含まれる栄養素
マツタケには、ビタミンDや葉酸、ナイアシン、パントテン酸、食物繊維が多く含まれています。また、カリウムや鉄、亜鉛、銅などのミネラルも豊富です。
マツタケによる健康効果
良い香りで食欲増進と消化の促進
マツタケの香りの元は「マツタケオール」という成分と「桂皮酸メチル」です。
この2つの成分には食欲を増進する効果があり、同時に消化酵素の分泌も促してくれます。
骨粗鬆症の予防
マツタケに豊富に含まれるビタミンDには、カルシウムの吸収を促す働きがあります。
カルシウムは吸収されづらい栄養素ですので、ビタミンDと一緒に摂ることで、骨粗鬆症の予防につながります。
マツタケのおすすめ調理法
マツタケは水洗いすると風味が落ちますから、必ずふきんなどで汚れをふき取るだけにしましょう。
包丁で切るよりも、手で割いた方が香りが良く仕上がります。カサに切れ目を入れてそこから割くと、綺麗に割けます。
マツタケは香りが命ですから、買ってきたら早めに調理するようにしましょう。また、加熱しすぎると香りが飛んでしまいますので注意が必要です。