ヒガンバナ科ネギ属のタマネギは、どの家庭にも必ず常備してあるのではないでしょうか。カレーや炒め物には無くてはならない、名脇役中の名脇役です。
そんなタマネギの栄養と健康効果、歴史をまとめました。
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タマネギの起源
タマネギの原産地は中央アジアのイランやパキスタンで、約6000年前にはすでに栽培されていたと言われる、歴史の古い野菜です。
古代エジプトでは紀元前3000年頃に食用されており、古代ギリシャや古代ローマでも栽培されていたようです。
日本には江戸時代に長崎に伝わったとされています。日本で本格的にタマネギが栽培されるようになったのは、明治時代です。
タマネギの種類
もっとも多く出回っているのは「黄タマネギ」です。
「サラダオニオン」とも呼ばれる「白タマネギ」は辛みが少ないのが特徴で、生食に向いています。「新タマネギ」は2~4月に店頭に出回る早生の白タマネギです。
「レッドオニオン」とも呼ばれる「赤タマネギ」は辛みが少なくシャキシャキとしていて、サラダにすれば彩りも良くなります。赤い部分にアントシアニンが含まれます。
「葉タマネギ」は玉の部分が膨らむ前に収穫したもので、葉の部分は「ぬた」にしたりすき焼きにしたりします。
「ペコロス」はミニサイズのタマネギで、丸ごとシチューなどの煮込み料理に使うとおいしいです。
タマネギの旬と産地
タマネギは一年中出回りますが、新玉ねぎの旬は4月~5月にかけてです。タマネギの産地は北海道が全体の約57%と、圧倒的なシェアを占めています。
良いタマネギの選び方
良いタマネギはふっくらと丸みがあって、周りの皮がしっかり乾燥していてツヤがあります。先端が硬いものが良いです。
芽が出ているものは味が落ちています。ふにゃふにゃとやわらかいものは、腐っているかもしれません。
また新たまねぎは、先端の部分が小さいものを選ぶと良いでしょう。
タマネギに含まれる栄養素
タマネギには、野菜の中でもビタミンB6を多く含みます。
他にも、血液をサラサラにする効果がある「硫化プロピル」や「硫化アリル」、生活習慣病予防のための「ケルセチン」などの栄養素も注目されています。
タマネギによる健康効果
血液サラサラ効果
タマネギには、血液をサラサラにする効果があると言われています。
タマネギに含まれる「硫化プロピル」という成分は、空気に触れて酸化すると「トリスルヒィド」という物質に、長時間加熱すると「セパエン」という物質に変化します。これらの成分は、中性脂肪や悪玉コレステロールを減らし、血液をサラサラにしてくれます。
また、タマネギを切ったときに涙が出る原因である「硫化アリル」という成分は、血液を改善してくれる効果や毛細血管を広げてくれる効果が期待できます。
老化防止
タマネギに含まれる「ケルセチン」は、ポリフェノールの一種です。
ケルセチンにはとても強い抗酸化作用があるため、体内で発生した活性酸素による酸化のダメージから守ってくれます。しかも、ケルセチンは体に吸収されやすいという特徴も持っています。がん予防の効果が期待できます。
便秘予防
タマネギに含まれる食物繊維は豊富ではないものの、不溶性の食物繊維と水溶性の食物繊維がバランスよく含まれており、さらにオリゴ糖も含まれていることから、便秘解消に効果的と言われています。
普段からタマネギを多く摂っていれば、便秘を予防する効果が期待できます。
便秘解消に有効な野菜は、他に以下があります。
便秘解消については、ヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
デトックス効果
タマネギに含まれるケルセチンには、脂質と結合する性質があります。そのため、脂質と結びついて体外に排出するデトックス効果が期待できます。
タマネギのおすすめ調理法
タマネギに含まれる硫化アリルなどの栄養成分は、水にさらすと溶けだして無くなってしまいます。ですから、あまり長時間水にさらしすぎないようにしましょう。
長時間加熱することで甘味が出ておいしくなりますし、栄養素が凝縮されますから、スープやシチューなどの煮込み料理がおすすめです。