アブラナ科ダイコン属のダイコンは、生で食べても煮て食べても、焼いて食べても美味しい野菜です。保存ができるので、冷蔵庫にいつも入れておきたいですね。
そんなダイコンの栄養と健康効果、歴史をまとめました。
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ダイコンの起源
ダイコンの原産地は、地中海沿岸や中央アジア、中国など諸説あり、はっきりしたことはわかっていません。
紀元前3000年~2000年頃にはエジプトで食され、中国では紀元前500年頃にすでに栽培されていたと言われています。 ヨーロッパでは15~16世紀ごろに栽培が始まったようです。
日本には、中国や朝鮮半島から伝わりました。「古事記」の仁徳天皇の記事に記述がありますから、奈良時代にはすでに伝わっていたと考えられています。
江戸時代になると本格的に栽培されるようになり、様々な品種が生まれました。
ダイコンの種類
現在主流になっている品種は、「青首ダイコン」です。根の上部が淡い緑色をしており、水分が多く甘みが強いのが特徴です。
美濃早生、練馬、三浦、大蔵などの品種はすべて「白ダイコン」です。たくあん用として使われています。
大阪府守口発祥の「守口ダイコン」は、世界で一番長いダイコンで、長さが1メートルもあります。粕漬けにした守口漬けは愛知県の名産品です。
京都府聖護院発祥の「聖護院ダイコン」、鹿児島県桜島の火山灰で生息する世界最大のダイコン「桜島ダイコン」などもあります。
他にも葉を食するために改良された「葉ダイコン」や、「カイワレダイコン」、「ラディッシュ」もダイコンの仲間です。
ダイコンの旬と産地
ダイコンの旬は10月から3月にかけてですが、スーパーなどには一年中出回ります。冬の間が青首ダイコンの出荷ピークとなり、この時期は甘みがあってとても美味しくなります。
ダイコンの産地は北海道、千葉県、青森県が三大産地です。そして、鹿児島県、宮崎県と続きます。
良いダイコンの選び方
良いダイコンは皮にハリとつやがあり、ずっしりと重みがあります。葉がある場合は葉がみずみずしく新鮮なものが良いでしょう。
葉が枯れかかっていたり変色したり、また、葉を切り落とした部分が乾燥しているものは鮮度が落ちています。
ダイコンに含まれる栄養素
ダイコンの94%は水分なので、栄養素はあまり含まれていないと思われがちですが、量は少なくてもビタミンB群やビタミンC、カルシウムやカリウム、鉄分などのミネラルが含まれます。
さらに、消化を助けるアミラーゼ、ガラクターゼ、プロテアーゼ、オキシターゼなどの消化酵素も含まれています。
また、ダイコンの辛みの成分であるイソチオシアネートには、代謝を活発にする燃焼効果が期待できます。
ダイコンによる健康効果
消化吸収を助ける
ダイコンに含まれる消化酵素のアミラーゼやガラクターゼは、デンプンやグリコーゲンなどの糖質を分解する働きがありますし、プロテアーゼはタンパク質を分解する酵素です。そのため、ダイコンは胃腸で消化吸収を助けてくれます。
また、オキシターゼにはタンパク質や脂肪の消化を促す働きがあり、しかも焼き魚の焦げに含まれる発がん性物質を抑える効果があると考えられています。ですから、サンマに大根おろしを添えるのは、とても理にかなっているのです。
ダイエット効果
ダイコンの辛み成分に含まれるイソチオシアネートには、代謝を活発にする燃焼効果と、活性酸素を体外に排出するデトックス効果があると言われています。ただし、イソチオシアネートは熱に弱いため、生で食べる必要があります。
デトックスに効果的な野菜としては、ダイコンの他に以下が挙げられます。
ダイコンのほとんどは水分ですから、100g当たり18kcalと低カロリーです。そのため、千切りにして生でたくさん食べれば、低カロリーなのに満腹感を得られます。
ダイコンの食物繊維は100gあたり1.3gと決して多くはありませんが、ダイコンの持つ消化吸収を助ける効果により、便秘解消につながります。
このように、ダイコンはダイエット効果が高い食品であることがわかります。
ダイエットに効果的な野菜としては、ダイコンの他に以下が挙げられます。
ダイエットについてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
便秘解消についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
ダイコンのおすすめ調理法
ダイコンは、部位によって味が変わります。
葉に近い上部は甘みがあるのでサラダや大根おろし、漬物など生で食べるのがおすすめです。中央部分は程よいかたさと甘みがあるので、煮物に向いています。先端の部分はややかたく辛みが強いので、味噌汁や炒め物が適しています。
辛い大根おろしが好きな人は、あえて先端部分を大根おろしにすると良いでしょう。
ダイコンの葉が付いている場合は、細かく切ってごま油で炒めて醤油で味付けをすると、ご飯が進みます。