ジャガイモはナス科ナス属で、米・麦・トウモロコシと並び「世界の4大作物」とも呼ばれているほど、世界ではメジャーな食材です。様々な調理法があり、親しまれている野菜の1つです。
そんなジャガイモの栄養と健康効果、歴史をまとめました。
スポンサーリンク
ジャガイモの起源
ジャガイモの歴史はとても古く、原産はペルーの南部で、紀元前800年頃から南米のアンデス山脈の高地に住んでいた古代ペルー人はすでに食べていたと言われています。
16世紀前半に、インカ帝国を征服したスペイン人がヨーロッパに伝えました。
日本には1600年頃、インドネシアのジャワ島から来たオランダ船が長崎に持ち込んだのが最初と言われています。
「ジャガイモ」という呼び名は、ジャカルタから伝えられた芋が「ジャガタラ芋」と呼ばれたことから来ています。
ジャガイモの種類
ジャガイモには様々な種類があり、料理によって使い分けられています。
「男爵」はホクホクしていますが煮崩れやすいので、粉ふきいもやマッシュポテト、コロッケなどに適しています。
「メークイン」は長細くて煮崩れしにくいのが特徴。カレーやポトフなどの煮込み料理に最適です。
「キタアカリ」は、男爵の改良種。果肉は黄色がかっており、ホクホクとしていて男爵より甘味があります。コロッケやポテトサラダに適しています。
「デジマ」は長崎で育成されたことから、長崎の「出島」にちなんで命名されました。「新じゃが」として出回ることが多い、皮が柔らかい品種です。
ジャガイモの旬と産地
ジャガイモの産地と言えば北海道が有名で、日本国内のシェアの約8割を占めます。9月から1月にかけては北海道産、2月頃には沖縄などの暖かい地方のものが出回ります。
5月頃の初夏には長崎産のデジマなどが最盛期を迎え、7月には静岡や千葉、8月には青森産が出回ります。
それぞれの産地でとれたての「新じゃが」がおいしいですね。
良いジャガイモの選び方
皮がなめらかで薄く、ふっくらとして重みがあるずっしりしたものを選びましょう。大きすぎるものは中が空洞になっていることがあります。
芽が出始めているもの、皮がシワシワのもの、皮が緑色になっているものは避けましょう。
ジャガイモに含まれる栄養素
ジャガイモには豊富なビタミンCが含まれています。しかも、ジャガイモのビタミンCはデンプンによって守られているため熱に強い性質があります。そのため、シチューやカレーなどの加熱調理にも向いています。
ビタミンCが含まれる他の野菜については、「ビタミンCが豊富な野菜ベスト10」で確認しましょう。
また、ジャガイモにはカリウムも豊富です。カリウムには余分なナトリウムを排出する効果があり、高血圧予防やむくみ解消に効果が期待できます。
カリウムが含まれる他の野菜については、「カリウムが豊富な野菜ベスト10」で確認しましょう。
ジャガイモによる健康効果
美肌効果と生活習慣病予防
ジャガイモに含まれるビタミンCには美肌効果や抗酸化作用があり、美容や生活習慣病予防には欠かせない栄養素です。その一方で、ビタミンCは熱に壊れやすく、効率よく体内に吸収するのが難しいビタミンと言われています。
しかし、ジャガイモのビタミンCは熱に強いため、加熱調理しても失われにくい性質があります。ですから、スープや煮込み料理に入れてたくさん食べることができるので、効率よくビタミンCを摂ることができるのです。
ダイエットサポート
ジャガイモはカロリーが高く太りやすいというイメージがありますが、そんなことはありません。ジャガイモは100g当たり76kcalと、同量のお米やパンの半分以下のカロリーですし、満腹感を感じやすいため食べ過ぎを防ぐことができます。
さらに、ビタミン類だけでなく、カリウムなどのミネラルや食物繊維などがバランスよく含まれており、美容効果が高い食品です。
ダイエットに効果的と言われる野菜は、他に以下があります。
ダイエットについてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
ジャガイモのおすすめ調理方法
ジャガイモは煮ても焼いてもおいしい食材ですが、よりたくさんの栄養素を摂ることができるおすすめの調理方法があります。それは、「皮も一緒に食べる」という方法です。
ジャガイモの皮には果肉部分にはあまり含まれていない、鉄分やカルシウムが含まれていますし、皮の方がビタミンCは豊富です。さらに、抗酸化作用があるクロロゲン酸が含まれているため、美容と健康に良いのです。
皮が薄い新じゃがを皮付きのまま挽肉と一緒に炒めたり、スープに入れたりするのが、おすすめです。
ただし、ジャガイモに生えた芽や日に当たって緑色になった部分には、ソラニンという下痢や吐き気などの中毒症状を起こす毒素が含まれています。ですから、芽と緑色に変色した部分は厚めに切り取って使いましょう。