ニンジンはセリ科ニンジン属の、鮮やかなオレンジ色の野菜です。
カレーや煮物などの煮込み料理や、酢の物やサラダなど様々な料理で活躍するため、ほとんどの家庭で常備されている野菜ではないでしょうか?主婦にとっては頼りになる万能選手と言えるでしょう。
そんなニンジンの栄養と健康効果、歴史をまとめました。
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ニンジンの起源
ニンジンの起源はアフガニスタンの周辺と考えられています。そこからオランダを経由してヨーロッパに広まり品種改良された「西洋種」と、中国を経由して東方に広まった「東洋種」の二種類があります。
西洋種は私たちが普段手にしている太めのニンジンで、東洋種は細長い形状をしています。
日本には、江戸末期に西洋種のニンジンが伝来。戦後は東洋種の長人参が主流でしたが、その後、太めの西洋種の方が栽培に適しており収穫や洗浄がしやすいため、西洋種のニンジンが主流になりました。
ニンジンの種類
普段よく見る太めのニンジンは、「五寸ニンジン」と呼ばれる品種です。
他にも、東洋種で唯一残っているニンジン臭さがない「金時人参」、沖縄だけで栽培されている黄色い「島ニンジン」、長さが10センチほどで生食でもおいしい「ミニキャロット」などがあります。
また、色が違う、赤ニンジンや紫ニンジンもあります。
ニンジンの旬と産地
ニンジンは一年を通して日本各地で栽培されているので、特に旬というものはありません。強いて言うなら、冬となるでしょうか。この時期は甘みも増し、栄養価も高まります。
秋ニンジンは北海道が全国の8割以上を占め、冬ニンジンは千葉、埼玉、茨城、春夏ニンジンは千葉や徳島で主に栽培されています。
良いニンジンの選び方
全体がなめらかでオレンジ色が強く、皮にハリのあるものが新鮮です。肩の部分が緑色のものは、避けましょう。
葉の切り口である軸が太いと、成長しすぎて芯の部分がかたく果肉もかたい傾向があります。切り口の軸が小さい方が、柔らかいです。
ニンジンに含まれる栄養素
ニンジンに含まれる栄養素と言えば、β-カロテンです。同じ量のホウレンソウやカボチャの2倍以上と言われています。β-カロテンには免疫力を高める効果や抗酸化作用があり、がんや生活習慣病を予防してくれます。
また、β-カロテンは体内に入るとビタミンAに変わり、体内の粘膜を維持し、視力の保持に有効と言われています。β-カロテンは皮の近くに多く含まれていますので、無農薬ならよく洗って皮ごと食べたり、皮を薄く向いて調理したりすると、β-カロテンをよりたくさん摂ることができます。
β-カロテンが含まれる他の野菜については、「β-カロテンが豊富な野菜ベスト10」で確認しましょう。
また、赤ニンジンにはトマトにも含まれている「リコピン」が含まれていて、抗酸化作用があることが知られています。紫ニンジンには「アントシアニン」が含まれており、視力回復の効果や老化の原因である活性酵素を除去してくれる働きがあります。
ニンジンによる健康効果
緑黄色野菜の王様と言われるニンジンには、どのような効能と美容効果があるのでしょうか。
風邪などの予防
β-カロテンが体内で変化したビタミンAには、体内の粘膜を強くしてくれる働きがあります。そのため、皮膚や喉、気管支、肺などの組織を正常に保つことができ、細菌やウイルスの侵入を防ぐことができるのです。
普段からニンジンをたくさん食べて体の粘膜を強くしておくことで、風邪やインフルエンザの予防に役立ちます。
風邪予防に有効な野菜としては、他に以下が挙げられます。
風邪にかかってしまった際の早期回復については、ヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
美肌の維持
ニンジンに豊富に含まれるβ-カロテンには、抗酸化作用があります。肌が酸化していくことで、肌の老化が進みます。この酸化を抑える抗酸化作用は、アンチエイジングに欠かせない要素です。
また、紫外線による活性酸素を抑制・除去する働きもありますから、美白効果も期待できます。
アンチエイジングに有効な野菜としては、他に以下が挙げられます。
β-カロテンを多く含む野菜としては、他に以下があります。
ニンジンのおすすめの調理法
ニンジンは油との相性が良いと言われています。それは、β-カロテンが油に溶けやすいことと、加熱することで吸収率がアップするためです。
ニンジンは、キンピラや野菜炒めなど油で炒める料理に使いやすい食材ですが、栄養を吸収しやすくするという点で理にかなっている料理法ですね。
生で食べると栄養素の吸収率は低くなりますし、茹でる場合は長時間茹でると栄養素が溶けだしてしまうので注意しましょう。