ピーマンは、ナス科トウガラシ属の一年草です。鮮やかな緑色で果肉が厚く、少し苦みがありますが、炒め物などにするとその苦みがアクセントになり、美味しい野菜です。
そんなピーマンの栄養と健康効果、歴史をまとめました。
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ピーマンの起源
ピーマンは熱帯アメリカが原産のトウガラシが起源で、紀元前6500年頃には食べられていたと言われています。大航海時代にコロンブスによってトウガラシはヨーロッパに伝えられ、品種改良が進み甘味種であるピーマンが生まれました。
トウガラシが日本にやってきたのは16世紀頃で、既に江戸時代になると広く普及していたようです。ところが、ピーマンが日本で普及したのはトウガラシよりもかなり遅く、一般家庭で食べられるようになったのは戦後のことでした。
ピーマンの種類
ピーマンには、様々な色の種類があります。代表的な緑ピーマンの他にも、赤や黄色、オレンジ、そして、紫や黒い色をした珍しいピーマンもあります。
赤や黄色、オレンジのいわゆるカラーピーマンは、緑色のピーマンを完熟状態になるまで放置したものです。完熟するまで待つとコストがかかるため、同じピーマンでもカラーピーマンの方が高価なのです。
ピーマンの仲間のパプリカは、肉厚でみずみずしく、サラダとしても食べられます。もちろん、炒め物にしてもおいしいですね。
最近は、フルーツピーマンという赤や黄色の、甘みの強いピーマンも出回るようになりました。
ピーマンの旬と産地
ピーマンは温暖な気候で育つ野菜ですので、旬は夏です。
冬から春にかけて出回るのは、南国の高地や宮崎産のもので、夏から秋にかけては茨城や岩手産のものが出回ります。
良いピーマンの選び方
皮がつやつやしていて色が鮮やかなもの、肩の部分が張っていて、肉厚で弾力がありふっくらとしているものを選ぶと良いでしょう。
ヘタの切り口が変色していたり、皮がシワシワでしぼんでいたりするものは鮮度が落ちています。
ピーマンに含まれる栄養素
ピーマンには様々なビタミン類が豊富に含まれています。中でも、ビタミンCが豊富なイメージが強いレモンの2倍のビタミンCが含まれており、風邪の予防に役立ちます。
また、免疫力アップが期待できるβ-カロテンや、血圧の上昇を抑える効果があるカリウムも豊富です。特に、赤ピーマンには緑ピーマンの倍以上のβ-カロテンが含まれていますし、葉酸も豊富です。
葉酸は妊婦が積極的に摂取した方が良い栄養素とされていますし、貧血予防や動脈硬化の改善などにも効果が期待できます。
ピーマンによる健康効果
ピーマンはどのような健康効果や美容効果を発揮するのか、見てみましょう。
疲労回復や風邪予防に効果を発揮
細胞の働きを活性化してくれるビタミンA(β-カロテン)やビタミンCが豊富なので、疲労回復や風邪の予防にピッタリです。「最近仕事で疲れ気味」などという時に、チンジャオロースなどのピーマンを豊富に使った食事をとってみてはいかがでしょうか。
ピーマン同様、ビタミンAが豊富な野菜としては、以下が挙げられます。
その他β-カロテン(ビタミンA)を多く含む野菜としては、他に以下があります。
また、ピーマン同様ビタミンCが豊富な野菜は以下です。
その他ビタミンCを多く含む野菜としては、他に以下があります。
疲労回復についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
風邪にかかってしまった際の早期回復については、ヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
ダイエット効果があるカプシエイト
トウガラシに含まれる「カプサイシン」という辛み成分にダイエット効果があるということは、聞いたことがあるのではないでしょうか?
赤ピーマンにはカプサイシンは含まれていませんが、カプサイシンが変化した「カプシエイト」という成分が含まれています。このカプシエイトにも、カプサイシンと同じように体温を上げて体内の脂肪を燃焼させるダイエット効果があるのです。
しかも、刺激の強いカプサイシンよりもマイルドで安全性が高いと言われています。
ピーマンの栄養をしっかり摂る調理方法とは?
一般的にビタミンCは加熱調理に弱いと言われていますが、ピーマンに含まれるビタミンCは熱に強いのです。ですから、しっかりと油で炒めたり焼いたりしても大丈夫。しかも、酢豚やチンジャオロース、ピーマンの肉詰めなど、肉類や油との相性はバツグンです。
一方、パプリカのビタミンCは水溶性で熱に弱いため、生で食べるのが一番です。サラダやマリネなどにして食べると、ビタミンCを壊さずしっかり栄養を摂ることができるでしょう。
対してピーマンに含まれる葉酸は、水に溶け出しやすいという性質を持っています。葉酸をしっかり摂りたい場合は、短時間で料理を行うか、溶け出した煮汁なども一緒に食べるようにすると良いです。