
ワラビはシダ植物の一種で、コバノイシカグマ科ワラビ属の野菜です。山菜のひとつで、春の味覚の代表格です。強い毒性のある成分が含まれているため、正しい調理法を知っておく必要があります。
そんなワラビの栄養と健康効果をまとめました。
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ワラビの特徴
ワラビは全国に自生しており、春から初夏にかけて若芽を食用とします。日当たりの良い場所に自生し、酸性の土壌を好みます。また、ワラビの根茎から取れるでんぷんはワラビ粉と呼ばれ、わらびもちの原料となります。
ワラビはスーパーなどで販売されていますが、各地の里山で採ることが出来るため、自分たちでも採取できる身近な山菜です。全国各地で自生していますが、生産量としては山形・秋田県などの東北地方が多く、味も良いと言われています。
また、「あおわらび」と「むらさきわらび」があり、青系統のあおわらびが一般的に利用されています。
ワラビの旬
3月頃から収穫されはじめ、東北地方などでは6月頃に旬を迎えます。
山形県が最も生産量が多く、次いで秋田県が多くなっています。
良いワラビの選び方
産毛が多いもので、葉先はしっかりと巻いていて茎が太く短いものが良いです。

栽培物は30cmくらいもので、茎が緑色のものが良いでしょう。
ワラビに含まれる栄養素
ビタミンA(β-カロテン)、ビタミンB群、ビタミンEなどのビタミン類を比較的多く含みます。
ただし、ワラビは生食ができないため、下処理(茹でる)が必要となります。そのため、水溶性であるビタミンB群は下処理の段階で失われてしまいます。ビタミンA、ビタミンEは脂溶性であるため、水には溶けません。
視力改善やアンチエイジング効果
ワラビに含まれるビタミンA(β-カロテン)は、視力改善・アンチエイジング効果が期待できます。
ビタミンA(β-カロテン)を多く含む他の野菜は、以下があります。
視力については、眼精疲労の改善についてヒントをまとめてみましたので、併せてご覧ください。
血行促進や老化防止効果
ワラビに含まれるビタミンEには、血行促進・老化防止に効果があると言われています。
身体に悪影響を与える物質も
また、ワラビにはアクの原因となる「チアミナーゼ」というビタミンB1を分解する働きのある酵素と「プタキロサイド」という発がん物質が含まれています。
これらは身体に悪影響を与えるものなので、食べる前に除去が必要です。
ワラビの保存方法
アク抜き後、水に浸したまま冷蔵庫で保管します。2日~3日で使い切りましょう。
塩漬けや天日で乾燥させることで、長期間保存することができます。
ワラビのおすすめの調理方法
どの調理法にも適しています。煮物・和え物・揚げ物のほか、炊き込みご飯・パスタ・みそ汁の具などにも合います。
おひたしは地域や家庭により使用する調味液が異なり、わさび醤油・からし醤油・ポン酢・酢味噌・醤油マヨネーズなど様々あります。自分に合う調味液を見つけてみてください。
また前述にもあるように、チアミナーゼとプタキロサイドは身体に悪影響を与えるため、除去しなければなりません。これらは熱に弱いため、加熱することで除去することができます。
一般的な下処置(アク抜き)方法
重曹を使用するのが一般的な方法です。
よく洗ったワラビを鍋に入れ、重曹をかけます。沸騰したお湯を回しかけ、落し蓋をして一晩漬けておきます。
翌日、ワラビを流水でよく洗います。これでアク抜き完了です。
時短の下処理方法
重曹がない、時短でアク抜きをしたいという方には「小麦粉+塩」を使用することをおすすめします。
- まず、根元の固い部分を切り落とし、鍋に水を入れて小麦粉・塩を入れてよくかき混ぜます。
- 火にかけ、沸騰したらワラビを入れ、弱火で4分ほど煮込みます。
- 茹であがったワラビを洗い、流水に10分ほど浸します。これでアク抜き完了です。
小麦粉がアクを吸着してくれるため、短い時間でアク抜きができます。
まとめ
ワラビは決して栄養価が高いとは言えず、身体に悪影響を与える物質も含まれているため、一度にたくさん食べることはおすすめできません。
しかし、独特の風味と食感をもつ季節感のある山菜です。どの調理法にも適しているため、旬の時期にはワラビを食卓に取り入れ、季節感を楽しみましょう。