
キシメジ科エノキタケ属のエノキタケ。白く細長いのは、日光に当てないで育てているからです。野生のエノキタケは、カサが茶色くナメコのような姿をしています。
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エノキタケの起源
エノキタケは、アジアからヨーロッパ、アフリカなどかなり広い地域に分布しています。
日本でも古くから自生しており、食用されていました。江戸時代までは自生したエノキタケを食べていましたが、明治時代になると原木栽培が始まり、昭和に入っておがくずを使った大量生産が可能な菌床栽培が行われるようになりました。
そして、現在のような白く細長いエノキタケが広く食べられるようになりました。
エノキタケの種類
よく店頭で売られている乳白色でカサが小さく枝が細長いエノキタケは、菌床栽培で作られたものです。
以前は暗い部屋の中で育てて白くしていましたが、近年は日光に当てても白いまま育つ品種が出てきました。
栽培用と野生のエノキタケを交配してつくられた、カサの部分が茶色いエノキタケもあります。白いエノキタケよりも野性味があり、天然もののエノキタケに近い風味です。
エノキタケの旬と産地
エノキタケの旬は冬ですが、栽培物は一年中店頭で買うことができます。
エノキタケの生産量は、長野県が約63%を占めています。
良いエノキタケの選び方
良いエノキタケは綺麗な乳白色で張りがあり、カサが小さめで開いていないものです。

べとべとしていたり変色したりしているものは、鮮度が落ちています。
エノキタケに含まれる栄養素
エノキタケは見た目が白く、栄養素など無いと、ずっと思われてきました。ところが、そんなエノキタケの栄養効果は近年見直され、豊富な食物繊維やビタミンB群などが含まれていることがわかっています。
そんなエノキタケの健康効果を見てみましょう。
エノキタケによる健康効果
腸内環境改善と便秘解消
エノキタケには100gあたり3.9gの食物繊維が含まれています。水溶性より不溶性の食物繊維が多いため、腸内の老廃物を吸着して便として排出させる効果が高くなっています。
さらに、エノキタケには「キノコキトサン」と言われるβグルカンやキトサンが複合した、食物繊維の一種も含まれています。このキノコキトサンの整腸作用により、腸内にある善玉菌の増加が見込め、腸内環境の改善が期待できます。
便秘改善についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
免疫力アップ
エノキタケに含まれるβグルカンやキトサンには、免疫細胞を活性化させる働きがあります。
また、エノキタケに含まれる糖タンパク質である「EA6」という物質には、がんの抑制作用があると考えられています。
豊富な鉄分で貧血予防
エノキタケには、100gあたり1.1mgという豊富な鉄分が含まれています。これは、鉄分が多いと言われているシュンギクやクレソンと同程度です。
さらに鉄分だけでなく、葉酸や亜鉛など、血液を作り出すのに欠かせない成分も含まれています。
そのため、エノキタケは高い貧血予防効果が期待できる食材と言えます。
貧血の改善についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
疲労回復
エノキタケにはビタミンB1の含有量が100gあたり0.24mgと、キノコの中でもトップクラスです。
糖質をエネルギーに変えるために欠かせないビタミンB1は、エネルギーの供給をスムーズにしてくれるため、疲労回復に役立ちます。
疲労回復についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
エノキタケのおすすめ調理法
エノキタケは水で洗わず、汚れを軽く落とせば十分です。日持ちしないので、2~3日で使い切りましょう。小分けにして冷凍保存することもできます。
エノキタケに含まれているタンパク質は、生のままだと血を溶かしてしまう作用がありますから、必ず加熱してから食べるようにします。
サッと加熱するとシャキシャキとした食感を楽しめますし、じっくり煮詰めるとトロリとした「なめたけ」になります。みりんや砂糖、醤油など自分の好みの分量で味付けすれば、オリジナルのなめたけを作ることができます。
鍋物や炒め物、煮物などにも使えますし、和え物やお浸し、パスタ、汁物など、いろいろな料理に合います。