
ヒガンバナ科ネギ属の長ネギは、根深ネギとも呼ばれ、和食の中心野菜。一年を通して様々な料理に使用されます。調味料としても大活躍します。
そんな長ネギの栄養と健康効果、歴史をまとめました。
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長ネギの起源と歴史
長ネギは中国西部が原産と考えられ、中国では3,000年前から栽培されていたと考えられています。ネギは奈良時代以前に朝鮮半島に伝わったのち、日本に入ってきました。
「日本書紀」の中にも名前の記載があることから、栽培の歴史が最も古い野菜のひとつとして知られています。平安時代には、神事や祭事のときに神に捧げる野菜として、ネギが利用されていたそうです。
長ネギの種類
長ネギの代表種は、千住ネギ。関西から関東へ持ち込まれた品種と考えられています。
現在の埼玉県草加市周辺で栽培されていた品種と混じり、現在良く知られている白根の多いネギが生まれました。しかし、千住市場を経由して広まったため、千住ネギと呼ばれ今に至ります。
そのほかにも千住合黒、越谷黒一本太、吉蔵、金長などの品種があります。
長ネギの食感
繊維に沿って縦に切ると、シャキシャキ感を味わえます。小口切りにすると、白根の内部のシャリシャリ感を感じることができます。
長ネギの旬と有名な産地
旬は冬ですが、一年中流通している野菜です。
日本全国で栽培されており、群馬県の下仁田ネギ、宮城県の仙台曲がりネギ、埼玉県の深谷ネギ、岐阜県の飛騨一本ネギなど、ご当地ネギが多く存在します。
良い長ネギの選び方
白根につやがあり、締まっているものを選びましょう。

ふかふかしているものは、中に土や砂が入っている可能性があります。葉の部分が黄色になりかけていたり、水分が抜けているものは鮮度が落ちている証拠です。
長ネギに含まれる栄養素
長ネギは90%が水分のため、栄養価はそれほど高くありません。
ニンニクと同じアリシンを含んでいます。少量ではありますが、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンEなどもあります。
長ネギによる健康効果
疲労回復効果
長ネギには、アリシンという疲労回復の成分が含まれています。ビタミンB1の持続効果を長くし、ビタミンB1の吸収を促す効果を持っています。
ビタミンB1は糖代謝にかかわる酵素の働きを補助する補酵素として働き、ブドウ糖のエネルギー変換や疲労物質の代謝を促します。そのため、疲労の回復に期待が持てます。
疲労回復についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
アンチエイジング効果
アリシンは活性酵素であるストレス、紫外線、たばこなどのフリーラジカルによって起こる細胞の酸化を抑える、抗酸化作用があります。
β-カロテン、ビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化作用を持つ成分も含まれているため、相乗効果でアンチエイジング効果もあります。
冷え性の改善や風邪予防の効果
アリシンの抗酸化作用は、血液をサラサラにして血の巡りを良くします。また、毛細血管を広げて血流の改善をすると考えられているため、血行促進につながり、冷え性の改善につながるといわれています。
冷え性改善についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
また血流が良くなり体が温まることから、免疫力が向上し、風邪を予防する効果に期待が持てるほか、アリシンの強い殺菌作用により、風邪の症状の緩和にも良い影響があると思われます。
風邪からの早期回復についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
長ネギの下処理と保存方法
長ネギの下処理
水にさらしたり、加熱することで辛味を和らげることができます。しかし、長ネギに含まれるアリシンが減ってしまうと考えられているので要注意です。
長ネギの保存方法
綺麗に洗って、水分をふき取り、ラップか新聞紙などで包んで冷蔵庫へ入れましょう。小口きりにしてタッパなどに保存すると、次に使うときに便利です。
長ネギのおすすめの調理法
アリシン単独でも効果は期待できますが、ビタミンB1の吸収を促進するため、ビタミンB1が含まれるものと併せて食べると良いでしょう。
ビタミンB1を豊富に含む豚肉と炒めたり、豚しゃぶなどにすることによって、疲労回復効果が期待できます。