
ヒルガオ科サツマイモ属のサツマイモは、秋になると食べたくなりますね。スイートポテトや焼き芋などにしても、ただふかしただけでも、甘くてほくほくしたサツマイモは子供から大人までみんな大好きです。
もちろん、てんぷらや煮物など、おかずとしても活躍します。
そんなサツマイモの栄養と健康効果、歴史をまとめました。
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サツマイモの起源
サツマイモの原産地はメキシコ南部やペルーの熱帯地方などの、中南米とされています。紀元前1万年~8000年前頃の遺跡からサツマイモの根が発掘されており、紀元前3000年年頃には熱帯アメリカで栽培が始まったとも言われています。
コロンブスが1492年に新大陸に到達した時にサツマイモをスペインに持ち帰り、その後フィリピンを経由して中国へ伝わります。そして、日本に伝わったのは1597年に中国から宮古島に伝えられたのが最初と言われています。
「サツマイモ」の名前の由来はもちろん、「薩摩」です。
サツマイモの種類
世界のサツマイモの品種は、3000~4000種類もあるといわれています。
東日本で主流な品種は「ベニアズマ」です。繊維が少なめで食べやすく、甘みが強いのが特徴です。西日本では、「高系14号」「鳴門金時」が主流です。
石川県金沢市の五郎島地区でのみ栽培される「五郎島金時」、鹿児島県種子島の在来種「安納いも」など、地域限定の品種もあります。「種子島紫」や「パープルスイートロード」などの、アントシアニンを含んだ紫芋もあります。
サツマイモの旬と産地
サツマイモの旬は、秋です。収穫量が断トツに多いのは鹿児島県で、茨城県、千葉県、宮崎県と続きます。
良いサツマイモの選び方
良いサツマイモは皮にハリがあって、皮の色が均一です。痛みやしみ、シワがあるものは避けましょう。

表面に黒い蜜が噴出して固まっているものは、糖度が高く甘いです。また、ひげ根が多く細いものは食物繊維が多く、ひげ根が少なく太いものは食物繊維が少なめなので、なめらかで食べやすいでしょう。
サツマイモに多く含まれる栄養素
サツマイモには、カリウム、ビタミンC、食物繊維、炭水化物が多く含まれています。
他にも、食物繊維の中でも血液中のコレステロールを抑制する働きがあるセルロースや、サツマイモを輪切りにした時に染み出てくる乳白色の液体に含まれる整腸作用があるヤラピンなども注目すべき栄養素です。
果肉が紫色をしたサツマイモにはアントシアニンが豊富に含まれています。
サツマイモによる栄養効果
高血圧の予防・改善とむくみ解消
サツマイモに豊富に含まれているカリウムは、体から余分な水分を排出する効果が期待できます。むくみの解消に効果が期待できます。また血圧を低下させる効果もあるため、高血圧の予防・改善にも効果が期待できます。
むくみ解消についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
高血圧予防についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
カリウムが含まれる他の野菜については、「カリウムが豊富な野菜ベスト10」で確認しましょう。
便秘の予防と改善
サツマイモと言えば、便秘解消に役に立つことが良く知られています。と言っても、サツマイモに食物繊維が特別多く含まれているわけではありません。それなのに便秘解消の効果が高いのは、不溶性の食物繊維と水溶性の食物繊維の割合が2:1と理想的なバランスで含まれているためです。
さらに、サツマイモを輪切りにするとにじみ出てくる白い汁に含まれる「ヤラピン」という成分に整腸作用があることも、便秘解消の効果を高めています。
便秘解消に効果がある野菜としては、サツマイモの他に以下の野菜があります。
便秘解消については、ヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
美肌効果
サツマイモには100gあたり約25mgとビタミンCが多く含まれており、リンゴやレタスの5倍以上とも言われています。
しかも、ビタミンCは本来熱に弱いのですが、サツマイモのビタミンCはデンプンに覆われているため、加熱しても壊れにくい性質があります。ですから、美肌効果のあるビタミンCを豊富に摂ることができます。
老化防止と免疫力の向上
サツマイモに多く含まれるビタミンEには、抗酸化作用があります。さらに紫芋にはアントシアニンが、安納芋にはβ-カロテンがそれぞれ豊富に含まれており、より高い抗酸化作用があります。
そのため、酸化のダメージによる老化を予防し、免疫力が低下するのを防いでくれます。
免疫力アップに有効な野菜といえば、他に以下が挙げられます。
生活習慣病の予防
サツマイモの皮の近くにはポリフェノールがあり、生活習慣病予防に効果が期待できます。皮ごと食べると、ポリフェノールを最大限摂取することができますね。
サツマイモのおすすめ調理法
サツマイモのデンプン質は加熱することで麦芽糖に変化し、より甘味を増します。より甘味を強くしたい場合は、60~75度の低めの温度でじっくり加熱しましょう。石焼き芋の甘味が強いのも、弱火でじっくり熱しているためです。

サツマイモを食べると胸やけがしますが、これは胃酸の分泌が促されるためです。胸やけがしないように、牛乳を飲んでから食べたりバターや塩などで味付けをしたりすると、胃酸が中和されて胸やけを起こしにくくなります。