ハス科ハス属に属するレンコンは、シャキシャキとした歯触りで栄養価が高くおいしい根菜です。10月から3月にかけて旬を迎え、お正月料理には欠かせません。
そんなレンコンの栄養と健康効果、歴史をまとめました。
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レンコンの起源
ハスの原産地は、エジプトやインドなど諸説あります。日本では弥生時代にすでに存在したとも言われています。その証拠に2000年以上前の千葉県検見川の遺跡からハスの種子が発見され発芽し開花しましたし、埼玉県行田市で発見された1400年~2000年前とされるハスの種子からも花を咲かせました。
ハスは長い間観賞用でしたが、平安時代には食用として食べられていたようです。古くから日本にあった在来種のレンコンもごくわずかにありますが、鎌倉時代から江戸時代に中国から僧が持ち帰ったレンコンが日本に根付いて広まったと言われています。
レンコンの種類
レンコンの種類は、大きく分けて中国種群と在来種群の2種類があります。
中国種群のレンコンは明治時代の初期に中国から持ち込まれた品種を改良したもので、現在レンコンの主流になっています。ふっくらと丸い「金澄(かなすみ)」や「だるま」という品種の系列があります。
徳島や愛知で栽培される「備中種」という節の間が細長い品種や、石川県や山口県で栽培される「支那白花」という品種もあります。石川県産は「加賀レンコン」、山口県産は「岩国レンコン」と呼ばれています。
一方、在来種群は江戸時代以前に日本に伝わったもので、細長く茶色がかった色をしています。肉質は粘りがあり柔らかくおいしいですが、ほとんど流通していません。「天王」などの品種があります。
レンコンの旬と産地
レンコンの旬は、10月から3月です。レンコンのシェアは茨城県が50%を占めており、徳島県、佐賀県、愛知県、山口県と続きます。
良いレンコンの選び方
良いレンコンは、ふっくらと丸みがあって太っており、皮にツヤがあります。穴が小さくサイズがそろっていて肉厚なレンコンが良品とされています。
色は、褐色から黄色の自然な色味のものが良いでしょう。切り口が変色したり乾いていたり、穴の内側が黒ずんでいるものは鮮度が落ちています。
レンコンに含まれる栄養素
レンコンは栄養素が豊富な野菜です。ビタミンCや食物繊維、カリウム、鉄、亜鉛が含まれています。
ムチンやポリフェノールの一種であるタンニンも含まれており、これらは近年注目されている栄養素です。
レンコンによる健康効果
胃腸の機能改善
レンコンに含まれる粘りの成分ムチンには、タンパク質や脂肪の消化を促進させる働きと、胃腸の粘膜を保護する働きがあります。また、ポリフェノールの一種であるタンニンには炎症を抑える働きがあるため、胃腸の炎症や潰瘍の予防に効果が期待できます。
ムチンとタンニンによって、胃腸の機能改善や消化の促進、胃腸トラブルの予防に高い効果が期待できます。
胃腸の働きを正常にする野菜としては、他に以下が挙げられます。
むくみ解消や高血圧予防
レンコンには、100g当たり440mgのカリウムが含まれています。カリウムには余分な水分や老廃物を排出させる効果が期待できますから、むくみや高血圧の予防につながります。
むくみの解消が期待できる野菜としては、他に以下が挙げられます。
むくみ解消についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
高血圧予防についてはヒントを以下にまとめてみましたので、併せてご覧ください。
カリウムが含まれる他の野菜については、「カリウムが豊富な野菜ベスト10」で確認しましょう。
美肌の維持
レンコンには100g中48mgものビタミンCが含まれており、野菜の中でもビタミンC含有量はトップクラスです。しかもレンコンに含まれるビタミンCは熱に強いため、調理してもビタミンCが壊れることはありません。
ビタミンCは美容のビタミンとも言われ、メラニン色素の生成を防ぐ美白効果、肌のハリを保つ効果などもあります。「ビタミンCが豊富な野菜ベスト10」で、ビタミンCが豊富な他の野菜も確認してみましょう。
さらに、レンコンに含まれるムチンは肌のヒアルロン酸の量を増やす効果があるとも言われています。
レンコンのおすすめ調理法
レンコンに含まれるタンニンの作用により、黒っぽく変色します。
変色を防ぐためには、切ったらすぐに酢水につけましょう。ゆでる際に酢を少し加えると、調理後の変色を防ぐことができます。
また、皮をむくときは筋に沿ってむくと楽にむけます。
シャキシャキした食感を楽しみたいなら加熱時間を短めに、ホクホクした食感を楽しみたいならしっかりと火を通すと良いでしょう。